お疲れ様です、陳 際諾(チェン ジノ)、メリッサです。
この度、柔道部を引退することとなりました。2年半にわたる柔道生活に、ひと区切りがつきました。
先日の第74回全国七大学柔道優勝大会では、男子は惜しくも敗れてしまいまいしたが、女子が優勝を果たすことができました。選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。
これまで常に応援してくださった先輩方、指導してくださった先生方、金野師範、藤井部長、寺田監督、山本コーチ、猪俣トレーナー、そして治療で支えてくださった久我さんに心より感謝申し上げます。また、一緒に戦ってくれた先輩方、同期、後輩たちにも感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に、金野師範より帯をいただきました。本当にありがとうございました。一生の宝物です。
現役のときは毎日「もう引退したい」って思っていたのに、いざ本当に引退したら、寂しさばかり感じてしまいます。
でも、みんなが私のデザインしたTシャツやジャージを着てくれているのを見ると、「あ、自分の何かがまだ東大柔道部に残ってるんだ」って思えて、寂しさも少し紛れます。
振り返ってみると、日本語がまったく話せず、柔道経験もゼロだった私が、ここまで成長できたことに自分でも驚いています。
入部当初、優しく英語で話しかけてくれた皆さんが、入部してたった一週間ですべて日本語に切り替わり、まるで崖っぷちに立たされたような状況でしたが、そのおかげで必死に頑張ることができました。この“スパルタ”の語学環境のおかげで、今では少しずつ日本語も話せるようになりました。そして、なんとPEAKプログラムから工学部電気電子情報系に進学することもできました。柔道だけでなく、語学面でも、人生の転機となるような成長を与えてくれた部活に、改めて感謝しています。
正直に言うと、今年の4月以降、心が折れそうな日々でした。不安に潰されそうになり、毎日がとても辛くて、薬を飲みながら何とか練習に参加していました。
そんな中で、いつも私の気持ちに寄り添い、気遣ってくれた女子のみんな、本当にありがとうございました。
後悔していることとしては、最後の時期に頼れる先輩としての姿を見せることができず、後輩たちには本当に申し訳なく思っています。
それでも、毎日の練習を一緒に頑張ってくれたゆいちゃんと瑛里子、そして素晴らしい試合を見せてくれて、本当にありがとう。
後輩のみんな、これからもずっと応援しています。この先、つらくてしんどい練習が続くと思いますが、悩みや不安があったときは、決して一人で抱え込まずに、仲間と話してください。ファミリーだから。来年は、ぜひ、男女ともに優勝を掴んでください!
最後に、どうしても伝えたい思いがあります。
私が柔道部に入った理由は、ただ「強くなりたい」という思いからでした。そして引退を迎えた今でも、その気持ちは変わっていません。
でも、これまで何度もこんな声を耳にしてきました。「女子が柔道をやるなんておかしい」「そんなことしてたらモテないよ」――と。

正直に言うと、そのたびにずっと違和感を感じていました。
そもそも、モテる必要なんてあるでしょうか? 女子の価値は、「どれだけ男子に好かれるか」で決まるものではありません。
強くなることは、性別に関係なく自然で尊いことだと思います。自分自身を守り、大切な人を守れる力があるということは、誰にとっても誇るべきことです。
また、ある時期に大流行した歌の歌詞に「かわいいだけじゃダメですか?」というのがあります。多くの人が口にしていたけれど、もちろん、私はこの価値観そのものが、すでに歪んでいると感じています。そもそも、「かわいい」って、一体何の価値ありますか。
社会は、男性には「成功しろ」「稼げ」「地位を手に入れろ」と求める一方で、女性には「かわいくなれ」とだけ言うことが多いですね。この不均衡な価値観に、おかしいと思います。
もしこのブログが、これから柔道を始めようとしている女子の背中を少しでも押せたとしたら、大変嬉しいです。もちろん、「かわいくなる」こと自体は素敵なことだと思います。でもその前に、自分自身が「どうありたいか」がもっと大切です。
「女子力」という言葉は、誰かが勝手に決めた「かわいさ」や「家庭的であるべき」という理想像を指すものではないはずです。本来の女子力とは、「こうあるべき」ではなく、
「私は女子だからこそ、私がなりたい自分になる力」だと思います。
これで、私の引退の言葉を締めくくりたいと思います。
もしこの文章を読んで、嘲笑う人がいるのなら……
そのときは、決闘しましょうか?
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。